古川デジタル相は、大和証券における不正アクセス問題について、簡潔に「自分の情報は自分で守る」と述べた。しかし、この発言は企業や政府の情報セキュリティに対する責任を軽視しているように聞こえ、個人に重荷を押しつけている。
情報漏洩の背後にある問題は複雑であり、企業や政府が果たすべき重要な役割があることを忘れてはならない。
企業の問題を個人に押し付け

情報セキュリティの問題を個人のせいにして、企業や政府の責任を棚上げしようとする風潮が気になる。パスワードの使い回しなど、個人レベルでの対策で防げる問題ではない。古川デジタル相が「この機会に話しておきたい」と発言したのも、政府の動き出さなさへの不満を露わにしているのであろう。
パスワードの使い回しや認証方法の問題は、企業や政府の対策が遅い証拠だ。しかし、なぜ企業や政府は適切な対応を怠るのか。素人が個人情報を守るのは難しい。提供先企業のデータベースに保管された個人情報を個人で守るのは不可能である。
情報漏洩の詳細な手法を企業や政府が周知し、各社のエンジニアが動き出すような環境を作るべきだ。政府や企業が情報セキュリティの問題を個人に押し付け、本当は自分たちの責任を放棄しているのである。
個人の対策では防ぎきれない
情報漏洩問題の大規模なケースを見ても、個人レベルでの対策で防ぎきれるとは到底思えない。古川デジタル相の「自分の情報は自分で守る」という言葉は、まるで大企業の無能さや政府のなあなあの姿勢を覆い隠そうとするかのような印象を与える。
個人にセキュリティ対策を丸投げし、大きな組織の怠慢を棚に上げる責任転嫁は、果たして納得できるものだろうか。個人情報の大量流出問題がこれで解決するとはとても思えない。企業や組織が抱える問題を、単なる「情報の持ち主である個人の対策」で解決できるなら、世の中もそんなに複雑なものではなかったはずだ。
この国のめちゃくちゃさは、まさにこのような言動が生み出している。飲んでるおっちゃんの発言ではない、日本国のデジタル相の言葉であることを念頭に置いておくべきだ。この局面で、意味のない切り取りや的外れな発言を続けるのは情けない話である。また、サイバー攻撃を企業や組織だけの問題とは限らない。
しかし、パスワード変更のような簡単な対策が全ての解決策とは思えない。日本企業がセキュリティに熱心でないことも伝え聞くし、アプリ等で個人情報を提供するのはリスクが高いという話ではないのか。この問題が単純な「自分情報自己管理」では片付くわけがないのである。
政府の無力さが露呈

情報セキュリティの問題が深刻化している中、古川デジタル相の「自分の情報は自分で守る」という発言は、政府の無力さを露呈している。企業や組織が情報漏洩問題の中心にいるにもかかわらず、個人レベルでの解決を呼びかけるのは皮肉そのものだ。
これほどまでに風呂敷を小さく巻き直そうとする姿勢は、実にガッカリする言い方である。
特に政府を信頼していない国民たちからは、「国からお達しが出たらもう、住所も名前もデタラメにするわ」といった冗談も飛び交っている。サービス側からの流出は、パスワードの使い回しや多要素認証の導入で防げるほど容易なものではない。
しかし古川さんの発言は、企業や組織が情報セキュリティに取り組むべきことを棚上げにしており、個人の責任を強調するものである。この問題解決において政府の役割が極めて薄いことを露呈しているのである。
この発言は政府の無能さを端的に示している。企業や組織が情報漏洩問題に対して適切に対応し、解決に取り組むべきなのに、それよりも個人の責任を押し付けようとする姿勢は、まるで「せいふ、あかんやん」と言っているようなものである。政府の無力さと無能さがこれほど露骨に表れたことは珍しい。
情報セキュリティ問題の解決には、企業や組織の取り組みが不可欠であり、政府の無為を嘆くばかりでは問題は一向に解決しないのである。